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大前研一の新・国富論
オススメ度[ ★★★★ ]
大前研一著 / 講談社 / \〜 / ISBN:4062030403
1980年代に出版された本のため、内容は非常に古くなっていますが、それらは現代の社会状況を予言しているともいえるべきものもあります。現代を予言することが著者の意図ではなく、現状を観察し、各国と比較すると、今何が日本では問題であり、どうすれば解決できるのかということを土地問題、税制改革などを取り上げて述べています。
その論理には極論的なものも多く見られますが、そうするしかないという強い主張を感じます。たとえば、欧米と比べてなぜ日本の土地が高いのかということについては、国内で農業を保護しすぎているからで、海外からの輸入によって国内の食糧を賄うことができれば、今まで農地として使われていた土地を住宅地として使うことができるようになり、大体4分の1の価格で家を建てることができるようになるといいます。ここで当然起こる問題としては、輸入に食糧を頼ってしまうと何らかの問題で輸入が途絶えてしまった場合ですが、これについても石油などの燃料を輸入に頼っているのであるから、いずれにしても生産ラインがストップする危機には晒されていることになり、輸入に頼ることが問題であるという考え方はおかしいということになります。また、どうしても輸入が嫌なのであれば、海外の土地を購入して国土としてしまえばよい、という考え方もあります。
このような問題と改善策を統計や海外との比較などから、論理的に導き出す本書は、身近にある「あたりまえ」の問題を「果たして本当にあたりまえなのか?」と疑問をもちメスを入れていくものです。
本書は、社会に対する提言であり、読者一人一人に、社会を正しく見る眼と考える力を与え得るものです。