レディ・ジョーカー(上)/企業社会に押し潰された労働者と経営の闇を描く社会派サスペンス

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レディ・ジョーカー(上)

オススメ度[ ★★★★ ]

高村薫著 / 毎朝新聞社 / \1,785 / ISBN:4620105791

 映画化された『レディ・ジョーカー』の原作。小説版を読むとわかりますが、映画では2時間強の中に収めなくてはならないため、かなりの部分を端折っており、さらにわかりやすくするためでしょうが、設定をいくつか変えています。結局小説版を読んだ人のみに理解できる内容になっていたと思います。

 上巻では、同和問題を発端として、巨大企業の経営陣と労働者の対立を描いています。

 事件の発端となる事柄の詳細から、犯行の思いつき、犯行グループの結成、犯行、企業の対応というところまでが描かれます。

 驚くのが、登場する人物の職業(経営者、刑事、新聞記者、工場の従業員など)をまるで経験したことがあるかのように、詳しく日常を描写していることです。これは、相当な情報を調べたのだろうなと思わせます。そして、そのために非常に現実味のある内容に仕上がっているのです。

 「人質は350万キロリットルのビール」という発想を軸に、身代金の要求を行うところまでで、上巻は幕を閉じます。果たして、この犯行は成功してしまうのか、それとも失敗するのか?レディ・ジョーカーの思惑は?下巻を期待してしまいます。

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