エスキモーに氷を売る―魅力のない商品を、いかにセールスするか
オススメ度[ ★★★★ ]
本書におけるマーケティング手法は、「ジャンプ・スタート・マーケティング」といいます。マーケティングによって会社をジャンプスタートさせる、という意味です。
それは、奇抜な発想ではなく、当たり前のことを当たり前に実行しようと言う、ごく基本的な内容です。もちろん、その当たり前のことを見過ごしていたり、できないことがあるということが、本書が出版された理由でしょう。
ジャンプ・スタート・マーケティングにはいくつかのステップがあります。
まずは、「売り込もうとする商品を良く知る」こと。売り込む商品についてどこがポイントなのかを知らなければ、アピールなど到底できません。
次に、その商品に興味のある人を「見込み客」として売り込みます。見込み客の条件を設定し、その条件に合致する人に対してチラシなどでアピールするのです。ここで、本書では顧客の情報を沢山集めることを提唱していますが、個人情報保護法によって、この方法を実践するのは困難かもしれません。予め「商品広告を送る」旨を承諾してもらわなければならなくなります。この部分には多くのページを割いて説明をしているだけに、このマーケティングの重要な一部分であることは間違いなく、そのためには多少頭を使う必要がありそうです。
また、社内の改革についても多くを述べています。マーケティング手法をはじめとする新たな売り込み方法を実践するときには、トップダウンで行わなければうまくいきません。ボトムアップで成功する例というのは殆どないようです。もしそれが不可能であれば、社内に数名の見方を作り、協同してプレゼンし、社内でアピールして広めるように努力します。
新しいことをしようとすると反発する社員も必ず現れます。その人たちをむりやり従わせるのではなく、彼らの感情に気を配りながら、一緒に仕事をしていく姿勢を見せていくことが社内を一つにまとめることになります。
著者の行ったマーケティングの対象は、スポーツチームの試合のチケットを売るということが主なもののようで、例として話題に上がるのは野球やバスケットボールチームの試合のチケットをいかにして売ったかということが多いです。しかし、この話を他の商品に変えて考えることはできないことではないでしょう。
本書でいいたいことは、「視点を変えること」「社内を巻き込むこと」の2点です。社内改革まで述べるところが、他のマーケティング関連の本とはちょっと違うところです。