敗者のゲーム(新版)―なぜ資産運用に勝てないのか
オススメ度[ ★★★★ ]
本書は、長期投資は短期投資よりもリスクが低く、さらにポートフォリオを幅広く組むことでよりリスクを低めることができるということを主張しています。
大多数の機関投資家、個人投資家は、市場平均を下回る成績を収めており、市場平均を上回る運用ができるのは一握りの投資家だけです。多くの人はその一握りに自分もなれると思って投資の世界に入ってくるけれども、すぐに敗者となってしまいます。
これは例えば、プロ野球では何億円と年俸を稼ぐ選手がいて、野球は儲かるんだなと考えても、そういった高額のプレーヤーは日本の総人口に比べてみると僅か数人ということであるのと同じことです。
そこで、本書では、投資の世界で平均を上回るリターンを得るには、ミスを犯さないこととしています。積極的な攻撃姿勢で勝ちを狙いにいくのではなく、いかにミスを減らして市場からふるい落とされないようにするかを考える方が成功率が上がるのです。
そのために有効な投資法はインデックスファンドに投資することで、さらにそれを長期で保有することだとしています。
個人投資家であれば、期間はどれだけ長期であっても文句を言われることはありませんし、タイミングが悪ければしばらく市場に参加しないという選択肢もあります。その自由度を十分に活かして投資を行えば市場平均に勝つことができるようになるのです。
非常に長いスパンでの投資を薦めているため、投資金額の上限についての話や、老後の話、遺産相続に関する記述までされています。株式投資の本というと、たとえば長期投資の本であったとしても、企業価値の算出方法などの実際の投資手法の解説をするのが殆どですが、本書は、投資スタンスや心構えといったものに主眼を置き、なぜ長期投資がいいのかということを理論的に述べます。そして、繰り返し、「マーケットは短期的には予測不可能であるため短期投資は危険である」と警告を発します。
本書では、インデックスファンドもしくは投資信託を購入することが、もっともリスクが低く、個人投資家にとっては資産運用に適したものであると紹介しています。気長に着実に投資で資産を形成して行きたい人に向いている本です。