『営業引力の法則』何がお客さまを引きつけるのか?
オススメ度[ ★★★★★ ]
従来行われている営業の手法は、絨毯爆撃のようなものです。担当エリアをしらみつぶしに訪問し、一度でも話を聞いてくれた相手には、足繁く通い、回数を重ねることが人間関係の強化につながり、やがてものを買ってくれるようになる、という発想です。
この方法がここまで使われ続けるのはなぜかといえば、昔から「営業とは足で稼ぎ、人間関係を構築するものである」と言われているからです。また、確かにそうやって成功した例も少なからずあることもその理由でしょう。
しかし、大半のケースでは迷惑がられているのではないでしょうか。
本書では、このような従来の営業方法を否定することから始まります。
従来の泥臭いやり方を否定することで、スタイリッシュな営業手法を紹介するのかというと、そういうわけでもありません。無駄をなくして効率的にやろうというのが狙いです。
まず、訪問回数を無駄に多くしても仕方がありません。確かに、飛び込みの営業マンが来たところで、需要がなければ面倒だなと思われるだけで、何度訪問したところで一向に商談は進展しないだろう。それでもめげずに訪問を繰り返しているうちに、いつかは成果がでるかもしれません。しかし、それは費用対効果からすると効率的なやり方ではありません。
本書における初期段階では、相手にこちらの商談に乗る可能性があるかどうかを探ります。そのためには、こちらも顧客を選ぶことが重要です。この考え方は、決して傲慢なものではなく、こちらの提示する価値観に賛同してくれる人のみを対象とすることで、はじめから興味のない顧客に会うという手間を省くことができるようになるのです。ここでまず、時間を有効に使えるようになります。
そのためには、商品の強みを1点に絞込み、他社にない魅力を備えさせることです。もちろん人間であっても同じことです。とにかく、1つだけ強みをつくり、そこから1点突破をするのです。
「入り口を狭く、店内は広く」することで、顧客は列を成して並び、その列を見た潜在顧客が新たにひきつけられて顧客になる、という仕組です。
本書では、このセールス手法を「アトラクティブ・セールス」と名づけています。
顧客に対し、企業の魅力・商品の魅力・営業マンの魅力を売り込み、その魅力にひかれた人のみを対象とします。そうすることで、確実な取引をめざします。
しかし、これを機械的にやろうとしてもうまくいきません。自薦するには、そういう裏にある考えはひとまず置いておいて、自分や商品・企業を信じ、魅力を磨き、それらを熱心に発信する情熱を持たなければなりません。
その本物の情熱が相手に伝わったときにはじめて、魅力に感じてくれるようになるのです。付け焼刃の営業では、せっかくのチャンスをふいにするのが落ちです。
アトラクティブ・セールスによって価値観を共有できた顧客は、この先長い間「友人」として人間的な付き合いができるようになります。これこそが、アトラクティブ・セールスの真髄です。アトラクティブ・セールスとは、自分を売り込むことなのです。
本書には、自分を売り込むためのツールの作り方など、多くの知識が盛り込まれています。身体を使うこと以上に頭を使うこと。そうすれば、身体の効果的な使い方がわかるようになるのです。